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導入事例

データの統合による<br />グループ会社全体の効率化

INDUSTRY: Construction and engineering
CLOUD: Azure

持続可能なエンジニアリングと建設への注目はますます高まっています。大手エンジニアリング・建設会社コラスグループ(Colas Group)は、環境への影響を最小限に抑えながら顧客への価値を最大化する輸送インフラを設計、構築、維持するミッションを掲げています。コラスグループは、このミッションを達成するために、まず世界50か国にある数百の子会社が所有する膨大なデータの解放を目的にしました。積極的なデータ変換プロジェクトを立ち上げ、DatabiricksとOpenValueを導入してデータの統合を実現。データへのアクセスと品質の変革に成功し、ベストプラクティスのコラボレーションにより、予想を上回る速さでのデータドリブンなイノベーションを可能にしています。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による世界的なパンデミック状況下での通常業務の遂行、エネルギー消費量の削減や資産効率の最適化など、データから得た気づきを活用してさまざまな画期的なメリットを創出しています。

AI/ML の推進を阻むデータのサイロ化

コラスグループは、世界中に広がる数百の法人組織で構成される分散型組織です。最高データ責任者(CDO)を務めるフィリップ・トーブラン(Philippe Toublant)氏のチームは、グループ全社のデータアーキテクチャ、ビジネスインテリジェンス(BI)、AIプロジェクトを一括担当しています。チームが試行している主なプロジェクトの1つに「One Colas Data(コラスグループ全社のデータ統合)」があります。トーブラン氏にとって、このプロジェクトで最初に行うべきことは、統一されたデータ基盤の構築でした。

トーブラン氏は次のように述べています。「私たちは、何百もの企業から成る組織で、データは共有されていませんでした。さまざまなソースから生成されたギガバイト規模のデータは、それぞれのやり方、フォーマット、アプリケーションで作成、収集されており、グループ全体のためにデータを使用することは不可能でした。」例えば、コラスグループには人事システムは54もあり、データ収集と処理が非常に複雑で、従業員の正確な総数の迅速な把握ができていませんでした。また、稼働中の産業機器から生成されるセンサーデータは膨大であり、洞察やビジネス価値を創出するための集計は困難でした。

分散されたデータセット、データアクセス、データ量という3つの課題に対処するために、トーブラン氏はオンプレミスとクラウドベースを問わず、全ての子会社とあらゆるソースから生成されるデータを照合するシステムの構築を計画しましたが、この分散されたデータをまとめるには、開発から実運用までに時間がかかり過ぎるという問題がありました。トーブラン氏が必要としていたのは、気づきを迅速に提供してビジネス価値の創出を可能にする統合プラットフォームでした。

統合プラットフォームでデータの生産性向上

コラスグループは、DatabricksのSIパートナーであるOpenValueとプロジェクトを開始し、DatabricksとMicrosoft Azure、およびさまざまなオープンソース技術を組み合わせた100%クラウドインフラを構築しました。このプラットフォームは、広範なデータソースからコラスグループ全社のデータを統合し、複数のタイムゾーンでの24時間365日の運用を可能にしています。トーブラン氏は次のように述べています。「Databricksの導入で、データの生産性が飛躍的に向上しました。コラスグループが抱える膨大なデータ量を考慮した結果、実装も容易なDatabricksの機能が突出していました。」

Databricks導入以来、トーブラン氏のチームはインフラや導入の問題に時間を割く必要がなくなり、データを活用してビジネス価値を創出する付加価値の高い作業に注力できるようになりました。また、アーキテクチャ、BI、データサイエンスの各チームは、同じ技術を使用して、より緊密に連携し、効果的な共同作業が可能になりました。さらに、この技術は優秀な人材確保の起爆剤となっているとトーブラン氏は述べています。「若い人材を集めるのが困難な現状の中で、DatabricksとAzureの技術は、優秀な人材を惹きつけています。」

コラスグループは、統合データプラットフォームを導入して間もなく、最初の成功事例と商業的メリットを体験しました。トーブラン氏のチームによる資材・設備部門のエネルギー消費量削減と資産効率向上の支援は、環境的、経済的メリットをもたらす象徴的な成功事例になりました。同チームは、コラスグループ全社および全拠点のエネルギー集約型産業機器のインベントリからデータを収集し、保有資産、使用パターン、エネルギー消費量を把握。天候、立地、法令などの変動要素や制約事項を重ね合わせ、アプリ内でデータを完全に処理できるようにすることで、複雑な使用率を基準値まで計算し、資産の効率性を監視して改善しました。「グローバルなプラットフォームにより、グループ全体、全ての機器、使用率などを最新の状態で把握できるようになりました。」(トーブラン氏)

また、コラスグループでは、リモートワークを迫られた新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの状況下において、共同作業を可能にするDatabricksが重要な役割を果たしました。チームはインタラクティブなNotebookを使用して連携し、通常作業を遂行しています。「物理的に同じコンピュータの前で作業ができない場合でも、複雑なコードの確認など助け合っています。共同作業を進められるのは、Databricksのおかげです。」(トーブラン氏)

経営陣も、COVID-19により中断した建設現場の再開を監視するソリューションにDatabricksのNotebookを活用しています。コラスグループは、15,000の建築用地での作業を再開しましたが、物理的な現場視察への制限により、データ収集が限られていました。トーブラン氏のチームは、DatabricksのNotebookとスケジューラーを活用して、データ収集プロセスを自動化するアプリをわずか2週間で構築しました。このアプリは、毎朝メールやSMSを送信し、返信に基づいた地域別の建設再開率のレポートを作成します。「コラボレーション型Notebookによって、共有、編集、共同作業が容易になりました。このツールがなければ、途方もない時間を費やしたでしょう。」(トーブラン氏)

イノベーションを迅速化し、市場投入までの時間を短縮

コラスグループでは、Databricksの導入で、データサイエンスのイニシアチブの市場投入までの時間を短縮し、迅速なユースケースの検証と展開が可能になりました。パイプラインには、いくつかの画期的なプロジェクトがあります。ダッシュボードを活用してグローバルのアスファルトの出荷量を追跡し、適切な場所、タイミング、価格での製品購入を可能にする調達のサポートや、AIを使用して道路の映像を評価し、保守の必要性を判断するツールによる保守サポートのプロジェクトもあります。

トーブラン氏は、Databricksの導入がコラスグループにもたらした効果について、次のように述べています。「今はまだ試験的な段階ですが、既に多くのポジティブな影響を受けています。時間が経つにつれてさらに多くのメリットが実現されるでしょう。以前は、これらはどれも実現不可能なものでした。従来、私たちの組織はデータドリブンではありませんでしたが、DatabricksとOpenValueの導入でデータ基盤を構築したことで、今では、データドリブンなまとまった組織になりつつあります。それこそが、Databricksの導入が私たちにもたらした真のメリットです。」