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導入事例

革新的なエネルギーソリューションでクリーンな世界を目指す

9 倍

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CLOUD: Azure

「データブリックスの応用範囲はここ数年で大きく拡大しました。導入当初はビッグデータと AI のプラットフォームとして使用していましたが、現在ではユースケースが広がり、それぞれ異なる目的を持った市民エンジニアやデータサイエンティストが最新の BI ツールとして利用しています。データブリックスは、データドリブンな意思決定を支えています。」

シェル社 高度分析 CoE ゼネラルマネージャー ダニエル・ジーボンズ氏

石油大手のシェル社は、最新のデジタル技術に投資して気候変動対策に取り組み、ネットゼロエミッション(実質排出ゼロ)にチャレンジするエネルギー業界の最先端企業として、クリーンな未来の創出に尽力しています。ビジネス全体における運用効率の改善、顧客エンゲージメントの促進、再生可能エネルギーなどのイノベーションの推進に、データとAIを活用しています。

シェル社では、膨大なデータの取り扱いに関わる問題を解決すべく、Shell.ai プラットフォームの基盤要素としてデータブリックスを導入。現在では、データブリックスのプラットフォームを活用して数百人のエンジニア、サイエンティスト、アナリストが一丸となり、クリーンなエネルギーソリューションの迅速かつ効率的な提供を目指したイノベーションに取り組んでいます。

大規模な洞察抽出への挑戦

シェル社は、創業 100 年余りの歴史の中で、数々の先駆的なアイディアを創出し、エネルギーの消費方法に影響を及ぼしてきました。

シェル社のデータサイエンス部門 GM ダン・ジーボンズ氏は、次のように述べています。
「エネルギー業界は転換期を迎えています。デジタル技術は、私たちのビジネスをより効果的で効率的にするための中核を担っています。エネルギー業界全体が、持続可能で環境負荷を軽減する新たなエネルギー分野への進出を進めており、データとデジタル技術をいかに活用するかが極めて重要になっています。」

デジタル変革は、あらゆるエネルギー企業にとっての主要な取り組みの 1 つです。しかし、従来のテクノロジーに基づくインフラ、データの爆発的増大に起因する複雑さ、データを活用するソリューションの構築に必要なデータエンジニアリングやサイエンスのスキル不足など、解決すべき課題が残されています。

シェル社はこれらの課題と向き合い、データサイエンスセンターオブエクセレンス(CoE)を設立し、バリューチェーンの中でより高価値のユースケースの特定に取り組んでいます。しかし、データを活用したイノベーションを推進する一方で、分析やビッグデータ処理、機械学習のためのデータインフラを拡張させなければならないという課題を抱えていました。

データと AI の全社的集約によるイノベーションの促進

シェル社は、Shell.ai プラットフォームの主要要素の 1 つとしてデータブリックスのレイクハウスプラットフォームを導入しました。データブリックスは、データ、分析、AI のあらゆるワークロードを統合する、スケーラブルなフルマネージド型プラットフォームを、シェル社のデータ部門に提供しています。データブリックスのインタラクティブなワークスペースがデータへのアクセスを民主化し、データエンジニアリング、データサイエンス、アナリスト部門間のコラボレーションを促進しています。

シェル(Shell)の Dan Jeavons 氏は、Databricks の活用について、次のように述べています。「私たちは、よりクリーンなエネルギーソリューションを提供するという目標の一環としてデジタル変革を進めており、データレイクアーキテクチャに対して積極的に投資してきました。ペタバイト規模のデータセットに対するクエリを、できるだけシンプルに、高速にしたいと考えていました。標準的な BI ツールを使用して、クエリを素早く実行できることは、私たちにとってのゲームチェンジャーとなります。Databricks との連携による効果は、私たちの製品ロードマップに表れてきています。」

データブリックス導入の容易さとデータのアクセス性の向上は、シェル社におけるデータ分析の可能性を、BI やレポーティングなど、機械学習を超える領域にまで広げています。実際に 250 人を超えるデータアナリストと 800 人を超える市民データサイエンティストによるデータアクセスを支援し、彼らの生産性を高めています。

未来のエネルギー企業への変革

シェル社の CoE では、データドリブンなソリューションの探索・展開を通じて、サプライチェーン業務の改善および、顧客や自社のビジネスに優位性をもたらす高価値のユースケースの開拓を推進しています。

大手企業における運用面での大きな課題の 1 つに、インベントリとサプライチェーンの効率的な管理があります。シェル社においても、常に数千のスペア部品を世界中の倉庫で保管しており、インベントリアナリストは適量在庫数の決定に苦心していましたが、データブリックスの導入以降は、履歴データセットを活用し、全ての部品と施設を対象に一万回を超えるインベントリシミュレーションを実行できるようになっています。また、在庫予測モデルの実行時間を 48 時間から 45 分に短縮。シェル社は、データブリックスの導入によって在庫管理の大幅な改善と年間コストの削減を実現しています。

シェル社では、新しく開発した顧客ロイヤルティプログラム「Go+」の推薦エンジンに Azure とデータブリックスを活用しています。このプログラムは 150 万人の顧客に利用されています。AI ソフトウェアによって各顧客のトランザクションの全履歴を参照し、顧客データを他の集計データと組み合わせてオファーや特典のパーソナライズを支援しています。

データと AI の活用は、顧客エンゲージメントの強化にも役立っています。シェル社では、船舶やクルーズ客船用大型エンジンの耐久性と性能の最適化を支援する新たな取り組み「Shell Remote Sense」を実施しています。その一環として、年間 75 万を超える潤滑油サンプルを分析し、潤滑油の品質に関する洞察を顧客に提供しています。この取り組みは、顧客においては、エンジンの修理やダウンタイムを回避することによる数百万ドル単位のコスト削減を、シェル社においては、時間と運用コストの大幅削減を可能にします。

データドリブンな戦略で成果を得る

シェル社は、データと AI を通じて石油・ガス業界に変革をもたらしています。Shell.ai プラットフォームの主要要素としてデータブリックスを導入したことで、データ分析と機械学習モデルの展開が可能になり、運用効率を向上させています。

集約型プラットフォームが、エンジニア、データサイエンティスト、アナリストによる、俊敏でデータドリブンな共同作業を可能にしています。シェル社における AI プロジェクト数は既に 160 を超えており、今後ますます活性化する見通しです。シェル社は、今後もデータと AI の応用を通じて技術的な飛躍を図っていく考えです。何兆もの IoT センサーが生成するデータの分析から、3D プリントによる機器や部品の製造に至るまで、グローバルサプライチェーンの変革と大幅なコスト削減を可能にする新たな技術。データブリックスは、その実現のためのカギとなる Shell.ai プラットフォームを支えています。